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 ★ヒナウタ★


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平成29年度まとめ
ふくろう歌会では、年度末のまとめとして、一年間に詠んだ作品からおよそ三分の一を自選してもらい、そのうち三首に私が歌評をつけています。

佐藤ことり作品

おはようの声のふわふわ立ちのぼり冬の朝日に学生集う     佐藤ことり

【評】
冬の寒い早朝。
交差点であろうか、コンビニの前であろうか。
学生達が集まっている。
白く立ち上る吐息を、あえて「吐息」と書かずにうまく表現した。
「ふわふわ」というオノマトペは、吐息の様子と同時に、学生の若さや楽しそうな雰囲気まで伝えてくれるようだ。
下の句の収め方も簡潔で清々しい。
 


それぞれの家庭模様が詰められたカゴの中身がスキャンされてく     同

【評】
鋭い社会詠となった。
買い物カゴの中身を見ることで、その家庭の晩ごはんの献立を知れるというのはよく耳にする話であるが、この一首ではさらに一歩踏み込んで、家族の人数や経済状況など、「家庭模様」まで映し出しているという。
「スキャン」という一語には、情報管理社会に対する批評が込められている。
 


教科書の隅の小さなロケットはパラパラパラと飛び立っていく     同

【評】
二次元から三次元に空想が飛躍する、伸びやかな一首となった。
第四句「パラパラパラと」は、紙そのものの捲られる音と、実際のロケットが打ち上げられるときに氷が剥がれ落ちる音の、両方に掛かっているように思う。
空へと飛んでいく「小さなロケット」は、若者達の未来そのものなのかもしれない。

佐藤ことり自選二十首はこちら 
| ふくろう歌会 | 17:56 | comments(0) | - |