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 ★ヒナウタ★


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平成28年度まとめ
ふくろう歌会では、年度末のまとめとして、一年間に詠んだ作品からおよそ三分の一を自選してもらい、そのうち三首に私が歌評をつけています。

堀恵作品

夏の駅 待合室でその膝にのせる人まつ椅子の夕暮れ     堀 恵

【評】
駅の待合室の椅子を擬人化して主役とした一首。
初句から第四句までの描写を「謎」として、結句でその謎解きをするという構成が巧い。
映画のストップモーションのように時間は止まり、夏の夕日が窓から差し込むだけの閉じられた待合室があるのみで、そこでは作者の気配すら失われているようだ。


 
真夜中にサランラップを引き出せば湖面のごとく艶めいており     同

【評】
何気ない日常のふとした瞬間に詩情を見出している。
皿にサランラップをかぶせようとする、ごくありふれた情景であるが、「湖面のごとく」という比喩によって、世界が妖しく一変した。
台所から遥か遠く、真夜中の湖の静寂へと視点を飛躍させることによって、一首に奥行きが生まれた。



雪上に靴底の模様うつくしく遺す人いる図書館の前     同

【評】
きっと新雪なのだろう。
冬靴の靴底の模様というのは、確かに幾何学的であったり、紋章のようでもあると思い出させてくれる。
「遺す」という漢字の選択や、「図書館の前」という舞台の設定により、単なる靴底の型が、まるで考古学の遺跡のような感覚を覚えて興味深い。

堀恵自選三十首はこちら 
| ふくろう歌会 | 17:49 | comments(0) | - |