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 ★ヒナウタ★


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平成28年度まとめ
ふくろう歌会では、年度末のまとめとして、一年間に詠んだ作品からおよそ三分の一を自選してもらい、そのうち三首に私が歌評をつけています。

佐藤ことり作品

爽やかなインクの匂いかぎながらゆっくり開ける初版の扉     佐藤ことり

【評】
瑞々しい一首。
新しい物語や知識に触れるときの胸の高鳴りを伝えている。
誰しもが経験したことがあるであろう感覚を、真新しいインクの匂いという嗅覚に集約した点が成功している。
結句の「扉」という比喩が、今まさに物語の世界へ分け入っていこうとしている瞬間をうまく表現している。


 
自転車が右に左に影つくり暑い昼間に登り切る坂     同

【評】
若々しい勢いのある一首。
「右に左に影つくり」という表現で、どれほどの勾配の坂であるかが想像される。
季節は明記されていないが、きっと夏の盛りであろう。
そして、作者は青春を生きている。
自転車と作者の影は、白雲を抱く青空を背景に、坂道に濃くくっきりと落とされているのだ。


 
青空にあなたの乗った飛行機のあとを追いかけ一本の雲     同

【評】
清清しい相聞歌となった。
恋愛をテーマとした歌では、作者の内面の熱量が打ち出されることが多いが、この一首では飛行機雲に恋心が仮託されており、一読、爽やかな印象を残す。
飛行機のあとをまっすぐに伸びる飛行機雲は、そのまま、二人の関係性の率直さを表しているのだろう。

佐藤ことり自選二十五首はこちら 
| ふくろう歌会 | 17:45 | comments(0) | - |