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 ★ヒナウタ★


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hinautamemo

令和元年11月詠草

ふくろう歌会/11月詠草(佐藤羽美選)


夕暮れのグラデーションを吊り下げて眠りにつきゆくタワークレーン    岸谷潤子


ラテンダンスの細いヒールに身をのせて五分だけ見る南の浜辺    香坂靖子


天上の澄みわたりたる満月に亡き子もいますか秋の夜空よ    小林佳代


散歩道ふゆを告げてく声がしてあなたと見上げる遠い青空    佐藤ことり


人を待つともしび一つ瞬けり杉の林の雪の夕暮れ    白乃 真


蛇行する川のくびれのあたりから腹食いやぶり泥水が噴く    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 20:55 | comments(0) | - |
令和元年10月詠草

ふくろう歌会/10月詠草(佐藤羽美選)


菓子折りは風呂敷のなか むすび目がしなやかに解ける合図を待って    岸谷潤子


朝顔の蔓払われて見えてくるホオズキ赤く二つ三つ四つ    香坂靖子


きらきらと向日葵の種こぼれたる 今年の記憶のこすがように    小林佳代


引き出しに眠るお菓子の空き缶は幼き我のタイムカプセル    佐藤ことり


秋の陽はささやく金の雨のよう夏ののこした濃い影ぼやかす    白乃 真


瘡蓋を剥がしたあとのうす皮の重なりぐあいが薔薇の花びら    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 14:00 | comments(0) | - |
令和元年9月詠草

ふくろう歌会/9月詠草(佐藤羽美選)


秋風の気配を感じ初む午後にふたりの影の伸びた気のせり    岸谷潤子


朝からの暑い空気を目に宿す塀に絡んだ紅い朝顔    香坂靖子


狭庭にて子の形見なる詩集よむ 午後の陽ざしにつつまれながら    小林佳代

※ルビ:狭庭(さにわ)


濡れ出したアスファルトから立ち昇る夏の記憶は肺の奥へと    佐藤ことり


一群の解き放たれし仔馬らのごとアッサムの紅茶葉はずむ    白乃 真

※ルビ:一群(ひとむら)


水底にひかりが映した心電図九月のプールは鼓動している    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 13:45 | comments(0) | - |
令和元年8月詠草

ふくろう歌会/8月詠草(佐藤羽美選)


七日日の祭り囃子は災厄と熱を祓いて秋を運べり    岸谷潤子

※ルビ:七日日(なぬかび)


冬を越す天道虫の集まりをひっそり包む落ち葉のふとん    香坂靖子

※ルビ:包(くる)


庭先の女王のごとき緋牡丹に傘さしかける五月雨の朝    小林佳代


名前なきビニール傘は何本も廃墟のように傘立ての中    佐藤ことり


不完全燃焼の夏を装填し打ちあげ花火はかがやきを増す    白乃 真


伸びてゆく胡瓜の支柱組む先にさくらの青葉そのさきに空    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 20:20 | comments(0) | - |
令和元年7月詠草

ふくろう歌会/7月詠草(佐藤羽美選)


太陽をあおぎ咲きたる向日葵の花の付け根の微かな愁い    岸谷潤子


あの夏の太田幸司を毎年の務めのごとく父は語りき    香坂靖子


背伸びするように大きくカーブして青田を抜ける奥羽本線    佐藤ことり


三百年の銀杏におわせし鬼子母神 津軽の匠にほり出されけり    白乃 真

※ルビ:三百年(みほとせ)


薬屋の棚におさまる壜のなか出番まちつつ粉眠りおり    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 18:56 | comments(0) | - |
令和元年6月詠草

ふくろう歌会/6月詠草(佐藤羽美選)


梅の香のようなやさしさ内に秘め母は傘寿に家族の軸に    岸谷潤子


紫陽花はいよいよ猛く葉をひろげ主役の席に雨を待ちけり    香坂靖子


生い茂る大樹の森に塩の雪 小鉢の中のブロッコリーへ    佐藤ことり


枝さきのしぶとき枯れ葉をもぐように名札をはずせり退職の春    白乃 真


レジ袋風をはらんで白猫の丸いからだで空き地を駆ける    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 11:10 | comments(0) | - |
令和元年5月詠草

ふくろう歌会/5月詠草(佐藤羽美選)


失敗に凹んだときの脱水のタコタコタコと洗濯機いう    岸谷潤子


寒立馬らは糞の山やまつくりおり風うずまいて岬の芝生    香坂靖子


生い茂る「つがるロマン」の苗床の緑は揺れる五月の風に    佐藤ことり


朝顔のしおれたるころ海色のインクの滲みし君の文くる    白乃 真


青衣の裾ひくように夜が去りその言伝てを朝顔に聴く    堀 恵

※ルビ:青衣(あおぎぬ)


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 11:05 | comments(0) | - |
平成31年4月詠草

ふくろう歌会/4月詠草(佐藤羽美選)


くるくるとポットを翔ける茶葉の舟目指す港は火星か月か    岸谷潤子


美しき背中を持つと名付けらる教えてみたし背美鯨らに    香坂靖子


ビー玉のはじけるように少女らは桜並木を通り過ぎてく    佐藤ことり


はつ夏の躍動としてTシャツは風にさらされ背面跳びする    白乃 真


福寿草雪をかぶったそのあとも強き光線放つ花びら    馬場鈴蘭


背もたれの倒れるままにからだのせプラネタリウムに夜明けをあおぐ    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 10:18 | comments(0) | - |
平成31年3月詠草

ふくろう歌会/3月詠草(佐藤羽美選)


たわいない通話のあとに目をつむる 君のことばの響きに抱かれ    岸谷潤子


亡き兄の遺せしレコード飾り置く「一年前は吹雪いていたね」    香坂靖子


久々に雪掻きいらぬ晴れた日は返却間近の本を読むなり    小林佳代


真夜中にベッドサイドに留めていた言葉の船が汽笛を鳴らす    佐藤ことり


病室で父と見ている天井に子どものときの青空ひらく    白乃 真


「元気での楽しかったよ」のこされた母の言葉が最後の贈り物    馬場鈴蘭

※ルビ:贈り物(ギフト)


プラタナス並木通りの枝の先パン屋「小鳥」の涼しい開店    堀 恵


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 22:01 | comments(0) | - |
平成31年2月詠草

ふくろう歌会/2月詠草(佐藤羽美選)


うらうらと輝る満月をてのひらにのせ松島の窓辺へと置く    岸谷潤子

※ルビ:輝(て)


三角屋根に積もりし雪のなだれ落ち君には告げぬ恋の始まり    香坂靖子


美容師の指先そっと走りだす月にいちどの毛染めの丘を    小林佳代


初恋に丸も四角も三角もないと思った中一の冬    佐藤ことり


病院の深き影差す回廊を巡りて患者の群れに入りけり    白乃 真


木の匙が静かに宿す森の息お粥とともに喉を降れり    堀 恵

※ルビ:降(くだ)


ふくろう歌会では、題詠一首と自由詠二首の計三首を宿題としています。
 隔週二回の開催なので、月に六首つくっていただいています。

| ふくろう歌会 | 22:17 | comments(0) | - |